midorientoℓ(ミドリエントル)は、
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そんな時間を届ける「読む瞑想」のメディアです。私たちが信じるのは、「優しさでまわる地球」。
対立を超え、調和をめざす新しい循環のあり方を、
日々の人間の歩みから生まれる言葉と、実践を通して未来へつなぎます。
——OTOCamp主宰の一人であり、「オトキャプテン」としてミュージシャンの招聘を行うYUUE。サックスプレイヤー、ビートメイカーとして楽曲制作、イベント出演を行う傍ら、インストルメンタルバンド「TTANTARA」(ッタンタラ)のメンバーとしても活動し、今年には自身のプロジェクト「ソトネム」も始動させた。ジャンルや音楽の枠にとらわれることなく、多方面で自らの表現活動を続けている。
YUUEの考える“lucky”は、偶然ではなく必ず「因」があるもの。自らの決断、行動、努力、そして挫折にさえも、きっと意味がある。災害や地球の自転、宇宙の広がりのような自然の働きのような「奇跡」のなかで、つながっていく縁への感謝と表現を追求する日々を重ね、いつか起こり得る“lucky”に向かい、進み続けている。
今世では、目指す先にたどり着くことがないかもしれない。それでも止まることのない鍛錬が結果を作り、間違いなく未来を動かすだろう。
2025年12月7日開催のイベント「oto camp 7th -lucky-」の運営メンバーであり、出演を控える、YUUEとの対談。
OTO Campアンケート記事はこちら:“lucky”──心のなかに宿る小さな奇跡。OTO Camp出演者・出店者たちが語る日常の中の幸せ
——今回のOTO Campのテーマは“lucky”。「luckyについてのイメージ」についてご回答いただいた、「ラッキー=因果」という答えがとても印象的でした。
YUUE:純粋なラッキーみたいなのもあるとは思うんですが、例えば、めちゃくちゃ大きい箱とか、ライブハウスで演奏が決まったとき、それまでに自分が練習してきたりとか、いろんな交友関係を広げてきた結果だなと思うんです。
そういう自分の行動ありきで、その「思わぬ出来事」を喜んだほうが、より自分の自信につながるかなと思っています。
——Apple Musicのプレイリストへのチャートインを最近「ラッキーだったこと」として挙げていただきましたね。これは、もともと目標にされていた出来事だったのでしょうか。

YUUE:ここ2、3年ぐらいで、Apple MusicとかSpotifyに配信を始めて、毎回狙ってはいました。ただ、ようやく実を結んだのが最近で、やっぱりうれしかったですね。
パソコンで音楽を作るようになったのはコロナ禍からで、1人で音楽ができるようになりたいなと思って、勉強を始めました。
作品を出し続けることが大事かなと思って、制作をやめないようにしている中の一環で作った曲なので、「まさか1番初めにチャートインするとは」と、びっくりはしましたね。
——ようやく音楽がチャートインしたことを、どう受け止めましたか?
YUUE:気合を入れていたバンドレコーディングよりも再生数が取れているのは複雑な気持ちではあるんですが、だからこそラッキーだなと思います。「因果」はありつつも、いつ表に出てくるかはわからないものだなと。
——積み重ねは、いつ花開くかわからないですね。これまでの音楽活動で、「これは達成できたな!」という実感があることはありますか?
YUUE:アルバムは人生の目標の1つであったので、自分の中で1つの区切りにはなったかなとは思います。
あとは、オトキャンプに出られたことですね。初回はミュージシャンを呼ぶだけ呼んで、自分はコロナにかかって出られないっていう、最悪な感じで(笑)

——OTO Campではオトキャプテンとして、音楽の領域全般を担っているYUUEさん。普段はどんな音楽活動をしているのでしょうか。
YUUE:主にサックスの演奏と、ビートメーカーとしての作曲ですね。
バンドを2つやっていて、1個は自分のジャズ系のプロジェクト「ソトネム」で、もう1個はインストルメンタル中心の「TTANTARA」(ッタンタラ)。
パソコンで作った音楽をサンプラーを使ってエフェクトをかけたりして、ビートを流すっていうことをやったりしています。

あとは、ネイティブアメリカンの楽器であるフルート(いわゆる“インディアンフルート”)とかアイリッシュフルートとか、民族音楽の音が好きで、おもしろそうな楽器はハードオフとかで見かけたら買って、実際に吹いて遊んでみたり。
作曲する上でちょっと鍵盤も必要になって、未だにあんまり得意じゃないんですけど、少しだけなら弾けるようになりました。
——アルバムを聞かせていただきましたが、初めて聞くような音がたくさんしましたね。いろんな楽器を演奏されていますが、そもそもの「音楽との出会い」について教えてください。
YUUE:6歳ぐらいからバイオリンをやっていました。めちゃくちゃ一生懸命やっていたというわけでもなく、1日30分練習するぐらいでゆるくやってたんですが。それ以外は、ドッジボールしたり、ポケモンカードやったりする、“普通の小学生”でしたね。
その当時すでにおじいちゃんだったんですが、家の近くに結構著名なバイオリニストがいて、母がその話を持ってきたんです。妹がすでにピアノをやっていたので、自分も同じなのもつまんないなと思って、バイオリンを始めてみました。
一番最初の時の先生は、すごく印象に残っています。優しかったっていうのもあるんですが、たしか息子さんもプロのチェリストで、2人で演奏を見せてくれたりするんですよ。なにか言葉っていうよりかは、その音色がめちゃくちゃ美しかったなと。演奏している風景みたいなのは、30年ぐらい経っていますが、断片的には覚えてます。
——なかなか、その年齢からバイオリンをやる方は少ないかと思います。幼少期から音楽に触れる機会は多かったんでしょうか。ちなみに、お母様が音楽をされていたり?
YUUE:エレクトーンを昔やってたみたいですが、演奏しているところは見たことないですね。母は音楽が好きで、クラシックのコンサートにもよく行ったりして。
小学校の国語の教科書に出てくる『スーホの白い馬』の「馬頭琴」って楽器も、「見に行きたい!」って言ったら実際に連れて行ってくれたりはしました。それも、すごく感動した記憶があります。
——そんな幼少期から、どうサックスにたどり着いたのでしょうか。
YUUE:サックスを始めたのは、中学1年生から吹奏楽部に入ってからです。
僕が中学1年生の時、親父がジャズにハマっていて、「かっこいいぞ」って、吹奏楽部を推してきたんですね。
最初は吹奏楽部は全然男子がいないし、嫌だと思っていたんですが、「ドラクエの最新作、買ってやるぞ」って言われて負けました(笑)

テナーサックスプレイヤーのスタン・ゲッツのDVDを買ってもらって、かっこいいなと思ったのが表向きの理由です。
親父はずっと「勉強しろ」っていうタイプだったんですが、途中からはもう親の言うこと全然聞かずに……「まさか、こんなにサックスにハマるとは」、みたいな感じで後悔してましたね。
きっかけは親からもらいましたが、音楽に走ったのは自分の趣味嗜好が合ってたんだなと思います。大学には5年間いました。音楽が好きすぎて、留年しちゃいました。
——お父様も予想できなかったくらいハマってしまったんですね(笑)クラシックや吹奏楽をされていた頃と比べて、ジャズに出会ってから、音楽との向き合い方に何か変化はありましたか?
YUUE:吹奏楽だと、サックス「うるさい」って言われがちな楽器なんですね。いかに、金管と木管の架け橋となるか、ふわっとまとまらせるかを意識しなきゃいけなかったんです。
でも、ジャズを始めてからは、“わかりやすい競争意識”をみんなもっていて、自分も「俺が1番になってやる」みたいな感じで演奏してましたね。
先輩方は本当に上手い方々ばかりで、練習して、悔しいから練習して、またセッション行ってボコボコにされてっていうのを大学2、3年の間は繰り返しました。
もう、ずっと吹いてました。バイトがない日は練習室で6時間くらいずっとやっていましたし、ジャズのセッションをみんなで、「この曲やろう」「次はこれやろう」って、ひたすら終電逃すくらいまで。
——どこかで修行もされていたんでしょうか。
YUUE: レッスンも月1回くらい行っていました。ライブとかYouTubeを見てかっこいいなって思った人のホームページを見て、レッスンを受け付けている方もいるので連絡して、実際に受けるみたいなこともやっていましたね。
テナーサックスプレイヤーの石川周之介さん(シュウさん)には、かなりお世話になりました。
バイオリンの先生と同じように、プラスの声かけをたくさんしてくれるんですよね。「めちゃくちゃ今のフレーズ良かったね。」とか、「めっちゃ練習してきたじゃん。」って。シュウさんのおかげで頑張ろうって思えたところもあります。
——これまで、何かを諦めたり、「やめてしまおう」と思ったことはありますか?

YUUE:めっちゃあります。高校時代所属していた吹奏楽もすごく強いところだったんですが、「2軍」みたいな感じで、「1軍」にはなれなかったのは挫折だと思いますし、大学受験も浪人しています。
ジャズを始めた大学時代も先輩方がうまくてボコボコにされて、毎回毎回悔しい思いをしていたと思います。でも、その悔しさとか挫折が、逆に原動力になってるなって思います。
——悔しさや挫折を「原動力」に変える。思考転換は簡単ではないと思いますが、YUUEさんが大切にされている言葉があれば、ぜひ伺いたいです。
YUUE:原動力に変えるにあたって、「昇華」という言葉を大事にしてにています。心理学において「昇華」とは、「ネガティブな衝動を、望ましい形に変換すること」を指します。
高校の頃、この言葉とその意味を知り、それ以降ネガティブな感情はそのままにせず、何らかの行動や形で昇華させるよう意識しています。もちろん真っ向から課題に向かって、何度も突撃することもあります(笑)
——その行動の結果に後悔したり、もしくは行動できなくて「後悔」したことはありますか?
YUUE:後悔しっぱなしの人生です(笑)受験もっと勉強頑張っておけばよかったなとかあの子に告白しときゃよかったなとか。そんな後悔も、「昇華」させようとはしていますね。
ただ、なかなかエネルギーがいることなので、「成果」や「結果」にはあまり執着しません。そこまでいくと、疲れるので。
——吹奏楽、ジャズ、ビートメイク、そして絵。さまざまな表現を続けてきたYUUEさんにとって、今、音楽ってどういう位置付けのものでしょうか。

YUUE:音楽は、人生の“柱”のひとつですね。仕事とか、家庭とか……いろんな人生の柱の一つに音楽を据えようという思いで活動しています。
1本に絞るよりも、自分はいろんな拠り所がある人生のほうが生きやすいし、音楽だけにすると逆に苦しくなるかな、と。
いろいろやってみて、自分の柱を2、3本つくる。意外とそれがいい方向に向かうかもしれないんです。
例えば、絵も自分のアルバムのジャケットにできたりとか、繋がっていくものだと思うし、好きなことも全部無駄にはならない。興味があることを、何個かやっていくのもいいんじゃないかなと思います。
YUUEさんが音楽を続けてこられた理由は、何だと思いますか?
YUUE:ジャズとの出会いが大きいですね。サックスも、高校まではクラシックとか吹奏楽でずっとやっていて楽しかったんですが、「共同して何かをつくる」じゃないですか。
「吹きたいときに吹きたい音が吹ける」っていうのが自分と相性が良かったみたいで、自発的に「もっと音楽やりたい!」と思えるようになったきっかけが、ジャズなんです。
「自分の好きなように」って言い方だと語弊が生まれそうですが、ジャズは“アドリブ”があります。自分自身を表現することができるようなものだから、ハマったんだと思いますね。もしジャズに出会っていなかったら、今音楽はやっていないと思います。
——アンケートで回答いただいた「大きな病気や怪我なく生きていけていること」が“lucky”。どんな思いでご回答いただいたのでしょうか。
YUUE:30、40歳ぐらいまで病気も怪我なく生きられるのって、ラッキーなのかなって思っています。
1995年の阪神・淡路大震災の当時、神戸にいたんですが、全く怪我もしなかったんですよね。東日本大震災の時は東京にいたんですが、津波の映像もリアルタイムでニュースで流れているのを見て、自分が「いつどうなってもおかしくないな」と感じたりもしました。
——「自然と地球の繋がりは『常に感じている』」、ともご回答いただいていましたね。
YUUE:例えば災害って、「地球にとっては自然に起こるちょっとした出来事」じゃないですか。宇宙規模で見ると、地球に今生命が保たれてるのは本当に奇跡的な確率で、たまたま生命が生存できる環境のところで、太陽から適切な距離で離れて回っている。
こうやって人間が文化的な生活ができるのも、結局は自然の“手のひらの上”だなと感じます。
——YUUEさんの「ラッキー=因果」の話とも、つながるように感じます。ちなみに前世を見てもらったことは?

YUUE:絶対自分は人生1回目だと思ってずっと過ごしてたんですが、一度四柱推命で見てもらったことがあります。
テナーサックスをやっているといろんな方に出会うので、それで見てもらいました。
前世は人を助けるために、あれやこれややった人間らしいです。「自分のために時間があまり使えなかったことをちょっと悔いていて、後世では自己実現にすごく重きを置いてる」。「なんか、今のYUUEっぽいね」、みたいなことを話してくれましたね。
——「自分が生きている意味」を考える人も多いと思いますが、ご自分が「こんな理由があって生きているんだ」と思われたりは?
YUUE:ドライだなって思われるかもしれませんが、自分がこの世に生まれた意味とかは特にないなとは思ってます。
死生観が強いらしく、「死ぬのすごく怖い」と思っているタイプなんです。生きている意味よりも、とりあえず「生きる」が第1目標みたいな感じで考えています。
老いとか死への恐怖は、多分相当小さい頃からあった気がしています。僕が3、4、5歳ぐらいの時、テレビCMにおじいちゃん、おばあちゃんが出てきたらしいんですよ。それを見て、「いつかお父さんお母さんもこうなっちゃうんだ」って急に泣き出したっていうのを、母ちゃんに教えてもらいました。
だからこそ、行動して、自分で意味のあるものにしなきゃと思っています。自分が生まれたのは「偶然」だし、自分がどう動くか次第だなと。
——意味を作っていく過程で、行動や選択の「誤り」や「正解」について考えることもあるのではないでしょうか。
YUUE:ベルセルクという漫画の一コマで「達人になってから戦場にでるつもりか?随分と気の長え話だな」と主人公が言う場面があります。これを読んだことが、マインドを変えるきっかけになったと思っています。
「誤り」や「正解」といった言葉は、芸事においては認知の問題であると考えていますね。例えば、歌い出しで上手く入れなかったとしても、それを「ああ、失敗した」と思えば誤りになる、「入れなかったから、あえて歌わずにバンドに委ねちゃお」と思ってそれが音楽的に盛り上がれば、その場では正解になることもあると思います。
——これまでの人生の中で、「繋がり」や「縁」を強く感じた出来事、出会いはなんですか?
YUUE:全部「縁」だなと思うので、めっちゃあります。共演したり一緒に演奏したりした全員から影響を受けているくらい、毎回毎回すごいありがたいと感じています。
オトキャンプ主宰の和田さんは、イベントを通して音楽に限らずいろんな人と繋げてくださり、自分の人生を変えてくれたなと思います。音楽以外でも表現活動を頑張っている人たちと出会うきっかけをくれたのは、間違いなく和田さんとkomoさんです。

——OTO Campの方々は年齢層も幅広いし、本当におもしろい方がたくさん出ていますね。YUUEさん自身は、「縁」をどんなものとして捉えていらっしゃいますか。
YUUE:今までのいろんな自分の経験とか道のりがあったうえで、重なっていくものが「縁」なのかなと。縁は狙って作るものじゃないけど、その縁が「豊かになるかどうか」は自分の行動次第だと思います。
OTO Campは最初はすごく緩いイベントで、好きなときに演奏するようなイベントでした。偶然がきっかけで生まれたイベントですが、「小規模」ではなくなってきたと思います。イベントを大きくして儲けていくというより「繋がる」を大事にしているので、音楽のライブブッキングも無理しない感じでやるようにしています。OTO Camp、ぜひ楽しんでください。
イベント名:oto camp 7th -lucky-
開催日: 2025年12月7日 (日) 12:00-20:00
IG:https://www.instagram.com/otocamp_0312/
会場:さいたま桃月園キャンプ場
チケット購入:https://teket.jp/11281/55089